二週間後、ウェディングドレスの写真が出来上がった。
アルバム形式にしてもらったものが三冊分と、データを付けてもらった。
アルバムのうちの一冊は俺の分で、残りはそれぞれ美乃と彼女の両親の分だ。
撮影をした日から、美乃はとにかく写真のことばかり口にしていて、『写真ができたら絶対すぐに見せてよ!』と毎日のように言っていたから、彼女の喜ぶ姿が目に浮かぶ。
「美乃!」
「いっちゃん……」
「写真ができたぞ! ほら!」
病室に入ってすぐに、美乃に写真を渡した。
だけど、彼女はなにも言わない。
大喜びすると思っていたから、反応がないことに戸惑った。
不安になった俺は、美乃の顔を覗き込む。
「どうした?」
「あっ、ごめんねっ……! なんだか感動しちゃって、言葉にならなくて……」
彼女は、本当に嬉しそうに微笑んだ。
「びっくりした……。なにか不満なのかと思ったよ」
「そんなわけないよっ‼ いっちゃんのお嫁さんだもん! 私、すっごく幸せだよっ‼」
「わかってるよ」
俺は得意げに笑って、美乃の頭を優しく撫でる。
「もう……。またからかったの?」
いつものように膨れっ面をした彼女が、少しだけ呆れたように微笑んだ。
「ごめん、ごめん! みんなが来たら見せような?」
「うん! 見せびらかしちゃうよ! なんなら、病院中の人に見せびらかしたいくらいだもん!」
美乃は興奮したらしく、勢いよく体を起こした。
「バカ、寝てろ! 熱が上がったらどうするんだ!」
「だって、ずっと寝てばっかりなんだもん。逆にだるくなるばっかりだよ……。薬もあんまり効いてないみたいだし……」
ついつい叱るような口調になった俺に、彼女が眉を下げてため息をついた。
アルバム形式にしてもらったものが三冊分と、データを付けてもらった。
アルバムのうちの一冊は俺の分で、残りはそれぞれ美乃と彼女の両親の分だ。
撮影をした日から、美乃はとにかく写真のことばかり口にしていて、『写真ができたら絶対すぐに見せてよ!』と毎日のように言っていたから、彼女の喜ぶ姿が目に浮かぶ。
「美乃!」
「いっちゃん……」
「写真ができたぞ! ほら!」
病室に入ってすぐに、美乃に写真を渡した。
だけど、彼女はなにも言わない。
大喜びすると思っていたから、反応がないことに戸惑った。
不安になった俺は、美乃の顔を覗き込む。
「どうした?」
「あっ、ごめんねっ……! なんだか感動しちゃって、言葉にならなくて……」
彼女は、本当に嬉しそうに微笑んだ。
「びっくりした……。なにか不満なのかと思ったよ」
「そんなわけないよっ‼ いっちゃんのお嫁さんだもん! 私、すっごく幸せだよっ‼」
「わかってるよ」
俺は得意げに笑って、美乃の頭を優しく撫でる。
「もう……。またからかったの?」
いつものように膨れっ面をした彼女が、少しだけ呆れたように微笑んだ。
「ごめん、ごめん! みんなが来たら見せような?」
「うん! 見せびらかしちゃうよ! なんなら、病院中の人に見せびらかしたいくらいだもん!」
美乃は興奮したらしく、勢いよく体を起こした。
「バカ、寝てろ! 熱が上がったらどうするんだ!」
「だって、ずっと寝てばっかりなんだもん。逆にだるくなるばっかりだよ……。薬もあんまり効いてないみたいだし……」
ついつい叱るような口調になった俺に、彼女が眉を下げてため息をついた。