あのカナリアは、アリスが小さいときから飼っている鳥のようだね。他にも、アリスは猫を飼っているんだけど、そいつとカナリアはとっても仲が悪くて、いつも別々の場所にいるのさ。
 アリスはおもちゃ箱からウサギのぬいぐるみを取り出して、脇に抱えた。
 聞いて。アリスが、どこへ行ったか知れない猫の名前を呼んでいるよ。

「ダイナ! ダイナ! どこへ行ったの?」

 ああ、もう落ち着きのないアリス! 話している間に、もうこの部屋を出ていってしまった。本当にあの猫のことが大事なんだなあ。
 おや。そうこうしている間に、もう時間が来てしまったようだ。
 夢の中でのお話は、これにてお終い。
 続きは、目が覚めてからさ。


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