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土曜日と日曜日も、いつものようにクロと会った。


もう少しで一緒に過ごす時間も終わるというのに、彼はそんなことは気にしていないと言わんばかりに至って普通で、反して私は寂しさが募っていく。


私だけがこんな気持ちでいるのだと思うと虚しくて、優しい笑顔を向けられる度に胸の奥が締めつけられた。


クロに会えて、とても嬉しい。


彼に会えなくなるのは、とても寂しい。


出会った頃にはこんなことを思う日が来るなんて思ってもみなかったのに、心の中では素直にそう思う私がいて、クロには悟られないようにする為に必死だった。


だけど……。


本当は、彼に気づいてほしかったのかもしれない。


そうすれば、“優しいクロなら私の気持ちを汲んでくれるのではないか”というずるい考えがあって、月が満ちたあとも繋がっていられる可能性があるような気がしたから。


だから、素直に口にできないこの感情が伝わればいいのに、なんてガラにもないようなことを何度も考えて。


彼が超能力を使えるというのが本当なのだとしたら、口にしなくても伝わるのではないかと思ってしまうことすらあったけど。


このことには一切触れられることはなく、あっという間に週が明けてしまった。