事細かく話したせいで、ひとりで十五分近くも口を動かしていた。


自分がこんなにも饒舌だったなんて知らなくて、ツキと両親以外の人の前でひとりで話し続けた記憶はもう何年もないから、喜びが溢れる心の片隅には驚きがあった。


本当なら数分で説明できる内容なのにしっかりと時間を掛けた私を、クロがずっと優しい眼差しで見つめていて……。


彼は相槌や喜びの言葉を挟むことはあっても、私の話を中断させないためなのか、長く話すことはなかった。


「すごいよ、千帆。不安も緊張もあったはずなのに、よく頑張ったな」


そんな気遣いも、褒めてもらえたこともとても嬉しくて、自分でも信じられないくらい素直に満面の笑みを零していた。


今日は楽しいことと嬉しいことばかりで、昼間からずっと心がふわふわしている。


「本当は早くクロに話したかったんだけど、私たちってお互いの連絡先を知らないってことに気づいたんだよね。この際だし、連絡先交換しない?」


だから、ガラにもなく素直になって、そんなことを口にしたのだと思う。


「あっ……えっと、ほら! 別に知っててもいいかな、って……」


それに気づいて慌てたけど、喜びに満ちた心のおかげで不安や恥ずかしさは感じていなかった。


だけど……。