そのあとすぐに梅田先生が教室に入ってきたから、教えるのはSHRが終わってからになった。


緊張のせいで落ち着かなくてソワソワしてしまい、自信があったはずの問題が本当に間違いなく解けたのかという疑問が過って、不安に駆られる。


やっぱり出すぎたことだったかもしれないと後悔し始めた時、チャイムが鳴ってSHRが終わってしまった。


「松浦さん、机くっつけよ?」


「う、うん……」


そんな私を余所に、堀田さんはにこにこと笑っていて、中野さんも戸惑いを浮かべながらもやって来た。


ふたつの机を囲んで座る私たちに視線が集まっているのは、たぶん気のせいではない。


これまで私がこんな風に誰かと過ごすことなんてなかったから、教室に残っているクラスメイトたちは驚いているのだろう。


その中には興味本位の視線があることもわかっていたけど、今は堀田さんと中野さんと接することだけに集中しようと努めた。


「じゃあ、お願いします」


「えっと、よろしくね」


堀田さんが冗談めかしたように頭をペコリと下げると、中野さんも私に微笑を向けた。


「は、はい。あの……もし、間違ってたらごめんなさい」


不安を吐露した私に、堀田さんが「大丈夫大丈夫」とあっけらかんと笑って見せた。