「おじさんたち誰?」

「ちょっとお尋ねしたいことがありまして。ここはアフィアさんのご自宅でよろしいでしょか?」

アフィアさんの名前が出たから知り合いの人たちなのかと思った俺は、少しためらいつつも応えてしまった。

「そうだけど……。アフィアさんなら中に居るよ?」

「それだけ聞ければ十分です」

「えっ――」

そこから先のことはあまりよく覚えていない。覚えていることと言えば、突然頭に激痛が走ったことと、泣き叫ぶソフィアの声だけだった。

俺は病室で目が覚めた。

隣には涙を浮かべる両親が安堵した表情を浮かべていた。眠っていたせいで意識がはっきりしていなかったのか、俺は手探りでソフィアとアフィアさんの姿を探した。

「ソフィア……どこ? ……アフィアさんは?」

アフィアさんの名前を聞いた両親は青ざめた顔を浮かべた。母さんは涙を我慢していたのか、声を上げないように泣き始めてしまった。

そんな母さんの姿を見てアフィアさんに何かあったのかもしれないと思った。

「母さん……アフィアさんは?」

「アレス……アフィアは――」

母さんの代わりに応えた親父の言葉を聞いて瞳を丸くした。

あのとき俺たちを襲ったのは、ここ最近金物目当てで街の人たちを襲っていた集団だったらしい。

アフィアさんは俺たちを庇って大怪我を負い亡くなってしまった。

隣の病室から聞こえてくるソフィアの泣き声を聞きながら、俺は拳に力を込めた。