「あ、れす?」
 
俺の顔を見上げたソフィアの頬に涙が伝った。

「ソフィア。今から俺の後に続いて詠唱をしてくれ」

「えい、しょう?」
 
俺は片方の手で本を開き詠唱を始める。

「星々の神々よ、我は神の仕いなり」

「……星々の神々よ、我は神の仕いなり」
 
俺の言葉に続いてソフィアも詠唱を始める。

「星の力よ、我の声が聞こえたなら応えておくれ」

「星の力よ、我の声が聞こえたなら応えておくれ」
 
詠唱によって俺たちの体が光を放ち始める。

「汝たちの力を集結させ、我に力を与えたまえ」

「汝たちの力を集結させ、我に力を与えたまえ」
 
最後に俺たちは声を揃えて言う。

「幸福の星屑(ハピネスアマデットワール)」
 
ソフィアの体が青い光を纏うとその光りは天へと伸びる。それに引き寄せられるかのように、雫の結晶体もそれぞれの大きさに戻ると天へと上がっていく。

「綺麗……」

「この魔法はいったい……」

「雫は元々星の力を秘めた雫だったのよ。それをトトが幸福の星屑を使い、人々が魔法を使えるように私たちの体内に宿した言われているの」

「そうなのか……」
 
テトの話を聞いたムニンは空を見上げる。
 
天に伸びる青い光りが一つの玉へと変わると流星のごとく散らばり始めた