「魔人族は拳で戦う種族なのか?」
 
私の攻撃を避けながらサルワが質問してくる。

「別に魔法が使えないわけじゃないよ。ただ私たち魔人族は人間族と同じ戦い方をしたくないだけ」
 
そう応えた私はサルワのお腹に一発蹴りを入れる。

しかし硬い鱗で覆われた体には効いていないのか、私の足首を掴んだサルワはそのまま私を投げ飛ばす。壁に激突した私は、何もなかったように立ち上がる。

「今でも人間族が憎いのか?」

「……」

私は拳に黒いオーラを纏わせサルワに突っ込んで行くと応える。

「憎いよ!」
 
黒いオーラを纏った拳が勢いよくサルワのお腹へと撃ち込まれる。

「がはっ!」

「だって人間族は――」
 
サルワが後ろへと飛ばされる。

「人間族は……あの人を裏切ったじゃない!」
 
もう一人の私に記憶がなくても私にはある。あの時の事は思い出すだけで、腸が煮えくり返りそうになる。

「だからこそ私に力を貸さないか?」
 
お腹を抱えたままサルワは立ち上がる。私は首を傾げて言う。

「私の人間族が憎いという気持ちと、あなたが世界を創造する事と何か関係でもあるの?」

「ああ、もちろんだ」
 
サルワは両腕をおおきく広げると言う。