「さあ雫の結晶体よ! 魔力の全てを魔人族の力の一部とするのだあああ!」
 
俺はサルワに手をかざす。

「光を纏いし弾丸よ、目の前の者の体に風穴を空けよ、光の弾(ライトバレット)!」
 
数弾の光の弾がサルワに飛んでいく。

「ふっ……」
 
しかし光の弾はサルワに命中することなく光を失うとその場に落ちてしまった。

「そんな馬鹿な……!」

「君にはそろそろご退場してもらおうかな」
 
サルワが軽く手を挙げると黒い剣が背後に三本現れる。

「さよならだ、探偵」
 
サルワが手を下ろすと黒い剣は角度を俺に向けると飛んでくる。

「闇の剣(ダークソード)」

「目の前に飛んでくる物を跳ね返せ、反射(リフレクション)!」

防御魔法の反射を発動させ闇の剣を跳ね返そうとした。しかし勢い良く反射の壁にぶつかった闇の剣は、反射にヒビを入れると突き破ってくる。

「なっ!」
 
そして闇の剣は俺の体を貫いた。

「かはっ……!」

「アレス!」

「っ!」
 
闇の剣は黒い灰となって消え俺はそのまま前へと倒れ込んだ。

「く……そ」
 
意識が薄れていく中、俺はソフィアに手をのばす。

「ソ……フィ……ア」
 
近くでテトの声が聞こえる。でも何を言っているのか聞き取れなかった。

「……」
 
俺はそのまま瞼を閉じた。