「ロキって女の子の情報なら直ぐに出てくるよね」
 
カレンも俺同様に呆れた目でロキを見ていた。

「当たり前だろ!」
 
ロキは胸を張って言う。

「可愛い女の子の情報を俺が聞き逃すわけないだろ!」
 
毎度同じ言葉を胸張って言えるロキが別の意味で尊敬して見えた。

「どれだけ女の子に飢えているんだか……。そんなんだから彼女の一人も出来ないのよ」
 
カレンの最もな言葉が鋭くロキに突き刺さる。しかしロキも負けじとカレンに言い返す。

「なんだとカレン! お前だって彼氏出来たことないだろ!」

「居なくても別に困らないし」

「なっ!」
 
そんな二人のやり取りを黙って見ていたムニンが、我慢の限界だったのか口を開いて叫んだ。

「うるせぇぞお前ら! 時間がねえんだから早く先に行くぞ!」

ムニンはイライラしたままロキの足に思いっきり噛み付いた。

「いっってええ!」
 
相当痛かったらしくロキはその場でピョンピョン飛び跳ねる。

「まだ使い魔がいるの?」

「こいつはムニン、今俺と仮契約している使い魔だ」
 
ムニンはロキから離れると俺の足元の隣に座った。

「おい……本当にこんな奴らで、ソフィアを救い出せるのかよ?」

「安心してくれ、ロキはこんな奴だけどやる時はやる男だ」

「あ、アレス……お前がそんなことを言うなんて!」
 
ロキは感動したのかウルウルとした目をこちらに向けてくる。ウルッとした目で男に見つめられても嬉しくないから、俺はロキから目を逸した。

「手短に今の状況を説明をしてもらっていい?」

「ああ」
 
俺はロキとカレンにこれまでのことを手短に説明した。もちろんソフィアが魔人族だということは伏せたまま。