「うちの学校に通ってくれるなら、君にあの図書室への入室を許可しよう」

とな。

当然、俺は自分の耳を疑った。

まさか理事長本人からあの図書室への入室を許可されると思っていなかったからだ。

それにそんな許可を出してまで、なぜ俺をこの学校に通わせたいのかが分からない。

だから理事長の目的が分からない以上、入学の話しは受けたくなかった。

しかしあの図書室へ入れるとなると話しは別だ。

あそこには俺の知らない魔法がたくさん眠っているし、きっと俺が探している魔法書だってあるはずだから。

そうして俺はあの図書室への入出許可を条件に入れて、このエアトート魔法学校に通うことを決めた。

本来入学したばかりの生徒は、白雫のクラスに配属されることになっている。

が、俺は特待生として特別に飛び級して黄雫のクラスに配属される事となった。

理由はもちろん俺が前に通っていた学校で素晴らしい成績を修めたからだ。

魔法、医学、天文学なども詳しいし一般人が扱うには難しいとされる、光魔法や天体魔法だって楽々使いこなすことが出来る。

これだけの条件が揃っていれば、特待生制度なんて簡単に取得することが出来るってもんだ。

「そう言えば理事長から聞いことがあったな。この学校に俺と競える生徒が居るって」

俺はそいつと会うのが楽しみでならない。

前の学校では俺と競える生徒なんて居なかったら、この学校では色々と楽しめそうだ。

「でも……楽しみ過ぎても駄目だ」

俺がこの学校に来た目的と本来の目的である事件を解決する、ということを忘れてはならないんだから。