「その話は後程ね。カレンが強い魔道士ならとても心強いわ」

「ああ。それにカレンも、あの教団を追っているんだ」

「何か関係があるの?」

「詳しく話すことは出来ない」

「守秘義務ってやつかしら?」
 
テトの言葉に俺は頷く。カレン本人から口止めされているってのもあるけど、今ここで話すべき事じゃない。それに言わなくても直ぐに分かることだ。

「分かったわよ。詮索しないでおいてあげる」

「助かる」
 
俺は忘却の山に急ぐべく研究所を後にした。
 
ヴェルト・マギーアを完成させる前に絶対にソフィアを取り戻すんだ。

「待ってろよ、ソフィア!」

ここから微かに見える忘却の山を俺は睨みつけた。