何千年も遥か昔――

まだ“魔法”と呼ばれるものが存在しない時代で、九種族たちによる領地を巡った“九種族戦争”が引き起こされた。

草木や花は枯れ、生物たちは息絶え、大地は徐々に死んでいき、世界は種族たちが住む事が出来ない世界へと変わっていった。

それを見かねた知恵の女神であるエアと、知識の神であるトートが、それぞれの九種族たちに領地を与え戦争を終わらせた。

そしてエアは自分の力を使って“魔法”という物を生み出し、その知識をトートが全種族たちに与え、星屑を使って魔力の元になる雫(ロゼ)を作り出した。

彼女が与えた魔法により世界は元の姿を取り戻し、いつの日からか魔法は、生きる者たちにとってある事が当たり前になっていった。

そして現在──

とある魔法学校で一人の少女が魔法を学ぶため、エアとトートが作ったとされる魔法学校へと通っていた。

今日もまた彼女は勉学に励むため、校舎の中へと足を踏み入れたのだった。