ふと自分の心に浮かんだその言葉に、虚をつかれた。


 家に帰ればリュウヘイ君がいるというのに、これまでと同じように夫婦二人の暮らしが待っているというのに、どうしてだろう、何とも言いようのないほど寂しいのだ。

 変わったのは一つだけ。リュウヘイ君が犬になったということだけ。

 それだけなのに。