まだ着慣れない巫女装束に着替えると、神楽殿の反対側、本殿とは太鼓橋でつながっている御守授与所へ向かった。

 主におみくじや護摩木、お守りを置いているその場所は、建物の中は白い幕で横半分に区切られていて、前半分はオープンキッチンのようになっていて、直接参拝者へお守りなどを渡すことが出来る。

 作業をするのは参拝者の目に着かない、幕の後ろ側だ。


 「業者さん、まだ間に合うって言ってくれたよ」


 ひたすら黙々と小袋に福豆をつめ、ホッチキスで封をするという作業を繰り返していると、三門さんが裏からひょっこりと顔を出した。

 福豆を提供してくれている農家さんに、追加の注文をできるかどうかの確認の電話をしていたらしい。