人は、百パーセント分かり合えない動物だからこそ、共に生きていく人を見つけるんだろう。
それは、こんな風にたまに起こりうる、心が繋がり合う瞬間を信じたいからなんだと思う。
どんなに共鳴しても、私たちは心を通じ合わせるのに、こんなにも時間がかかってしまった。
君の全てを分かりたいなんて言わない。
君の心の全てがほしいなんて言わない。

ただ、君が生きていく上で、抱えきれないほどの悲しみが降ってきたら、どうか私を思い出して。悲しみを独り占めしないで。

自分のためだけではなくて、きっと、誰かの心を感じ取るために、私たちには心があるんでしょう。
そして、自分以外の人なんて、全て分かり合えるはずないと知りながら、私たちは不器用に歩み寄っていく。

それを人は、奇跡と呼ぶんでしょう。