そりゃあ、とても可愛い女の子が自分の彼氏に密かに好意を寄せていると知ったら、いい気はしないというのが正直なところだ。
彼女には悪気がないと分かっていても、自分のほうが劣っていると自覚があるだけに、焦ってしまった。
それでも、今は。
「あの」
私は顔をあげて、美紅ちゃんをまっすぐに見た。
彼女も同じように見つめ返してくれる。
可愛くて優しくて、素直で誠実な女の子。
何も問題はないじゃないか、と自分に言い聞かせながら、口を開いた。
「優海のこと、好きになってくれてありがとう」
自分で言いながら、やっぱり何様だよとは思う。
それでも私は、彼女に言っておかなければならないのだ。
「あいつ、実はすごくおバカなんだけど、見限らないでね。バカでうるさいけど本当に優しいし、いいやつだから」
だから――と後に続けたかった言葉は、さすがに言えなくて飲み込んだ。
美紅ちゃんは黙って私を見ている。
「どうして、そんなこと……」
ぽつりとこぼれた言葉に、私は笑みで返す。
「ほんとごめんね、偉そうなこと言って。感じ悪いのは分かってるんだけど、どうしても言いたくて」
「………」
彼女はどこか困ったような顔で私を見ている。
当然だ、急にこんなことを言われても意味が分からないし、戸惑いしかないだろう。
彼女には悪気がないと分かっていても、自分のほうが劣っていると自覚があるだけに、焦ってしまった。
それでも、今は。
「あの」
私は顔をあげて、美紅ちゃんをまっすぐに見た。
彼女も同じように見つめ返してくれる。
可愛くて優しくて、素直で誠実な女の子。
何も問題はないじゃないか、と自分に言い聞かせながら、口を開いた。
「優海のこと、好きになってくれてありがとう」
自分で言いながら、やっぱり何様だよとは思う。
それでも私は、彼女に言っておかなければならないのだ。
「あいつ、実はすごくおバカなんだけど、見限らないでね。バカでうるさいけど本当に優しいし、いいやつだから」
だから――と後に続けたかった言葉は、さすがに言えなくて飲み込んだ。
美紅ちゃんは黙って私を見ている。
「どうして、そんなこと……」
ぽつりとこぼれた言葉に、私は笑みで返す。
「ほんとごめんね、偉そうなこと言って。感じ悪いのは分かってるんだけど、どうしても言いたくて」
「………」
彼女はどこか困ったような顔で私を見ている。
当然だ、急にこんなことを言われても意味が分からないし、戸惑いしかないだろう。