このプリントの出来具合を見せてもられば、優海が今どれくらいテスト範囲の学習内容を理解できているのか分かる、と思ったのだけれど。

「えー……」

明らかに気の進まなそうな彼の顔を見て、ぴんとくる。

「……まーた宿題忘れたの!?」

前に厳しく言って以来、忘れ物をしなくなっていたのに。

そう思って眉根を寄せて睨みつけると、優海は「違う違う」と首を横に振った。

「忘れてはないんだけどー……」

彼は情けない表情で課題プリントを私に差し出した。

見た瞬間、事情を察知する。

「……ぜんっぜん出来てないじゃん!」

そこには、ほぼ白紙状態の解答欄が並んでいた。

たまに一行、二行式が書いてある問題もあるけれど、解答までたどり着いているものは一つもない。重症だ。

「どうすんの? あと一週間でこんな状態じゃ、本当に赤点だよ! 昨日の英語の確認テストも30点しかとれてなかったよね? ほんとどうすんの?」

一気にまくしたてると、優海はしゅんと肩を落とした。

「だよなー……やばいよな、自覚はあるよ」
「自覚あったって対策とってなきゃ意味ないんだよ」
「うん……」

わざわざ前もって勉強しろと言っておいたのに、まさかこんな状態とは。

優海はいつも言われたことはちゃんとやるから、試験勉強もちゃんと取り組んでいるものだと思っていたのに。

中学まではテスト前の一夜漬けや受験直前の追い込みでなんとかなったけれど、さすがに高校の内容は難しくて無理だったか、とため息をついた。