私はやりかけの課題を片付けて、おばあちゃんと一緒に昼食作りをした。

削りたての鰹節と昆布で出汁をとった、じゃがいもと玉ねぎの味噌汁。

卵焼き、煮干しの佃煮、さわらの西京焼き、大根とイカの煮物、つわぶきと油揚げの炒め物、つわぶきの煮物。

「ちょっと作りすぎたかねえ」

作業台の上にずらりと並んだおかずたちを見て、おばあちゃんがおかしそうに笑った。

「はりきりすぎちゃったね」

私も笑いながら、一つ一つの皿を見ていく。

気がついたら、作りはじめてから三時間近く経っていた。

私に教えながらだから余計に時間がかかったとはいえ、ご飯を作るのはこんなに大変なことなのだ。

今さらながらにそんな当たり前のことに気づいて、おばあちゃんに対する感謝の気持ちが湧きあがってきた。

「おばあちゃん、いつもご飯作ってくれてありがとね。朝も夜も、学校のお弁当まで」

おばあちゃんはまた目を丸くして私を見た。

「どうしたの、急に。なんだか今日のなぎちゃんはいつもと違うねえ」

どう答えたものかと迷ったすえ、「私も大人になったってことよ」とおどけてみせた。

「じゃあ、優海に持っていくぶん、タッパーに詰めちゃうね」

私は戸棚から小さめのタッパーを五、六個とりだし、おかずを一つずつ詰めていった。

味噌汁は二、三杯ぶんを小鍋に移す。