とりとめのない話をしながら走るうちに、青くきらめく海が見えてきた。

帰ってきた、という実感がこみあげてきた。

海に近づくにつれて、潮風が強くなってくる。

この風を全身に浴びて育ったから、いつも髪はきしきし、肌はべたべた。

それでも、やっぱり私たちはどうしようもなく海が好きだった。


海沿いの道をひた走る。

風が吹いて髪を、スカートを舞いあげる。

二人並んだ影が、長く路面へと伸びていた。

薄青の空から降り注ぐ光は、少しずつ黄色味を帯びていく。


もうすぐ日が暮れて、太陽は水平線へと沈んでいき、よるが訪れるだろう。

そうしたら、今日は終わる。

ついさっき今日が始まったような気がするのに、もう終わってしまう。

学校に行って授業を受けて帰ってきたら、一日なんてあっという間だ。

こうやって過ごしていくうちに、時間は光の矢のように早く流れ去ってしまうのだろう。

そうして、『運命の日』がやってくる。

まだまだ先だと思っていたけれど、きっと、気がついたらその日が来ているのだろう。


いつまでもこうやって、海を眺めながら全身に風を受けて、優海の隣で自転車を走らせていたい。

強く、強く、そう思った。