手帳を持ってレジへと向かう。
優海がリュックをおろして財布を出そうとしたので、私はそれを手で制した。
「いいよ、私が買ってあげる」
その瞬間、優海が目を丸くして首をかしげた。
「えっ、なんで? 自分で買うよ。金ならちゃんと持ってきてるし」
「いや、ほら、もうすぐ優海の誕生日だし? ちょっと早めの誕プレってことで」
「俺の誕生日って……二ヶ月以上先じゃん」
「そうだけど。ほら、何事も早め早めがいいんだよ、ね」
それ以上何も言わせないように、私はレジ台に千円札を二枚置いた。
優海はまだ納得できないような表情をしていたけれど、包装してもらった手帳を渡すと、にっこり笑って「ありがと凪沙、大好き」と言った。
私は「はいはい」と肩をすくめた。
連れ立って出口に向かい、自転車に乗って、これからまた四十分かけて私たちの町へと帰る。
「あ、そうだ。優海、帰ったらすぐ手帳に明日の提出物書くんだよ。忘れないうちにね」
少し自転車を走らせたところで、ふと思い出して隣の優海に声をかけた。
「おー、もちろん!」
「あと、明後日の小テストの予定もね。再来週からの期末テストの日程も書いとかなきゃね」
「うへー、仕事が多いぜ!」
「たいして多くない。これからはホームルームで聞いたことはちゃんとすぐに書くんだよ、オーケー?」
「オーケー!」
分かってるんだか分かってないんだか、不安になるような軽さで笑って優海は私にグーサインを向けてくる。
明日の朝、さっそくチェックしないと。
優海がリュックをおろして財布を出そうとしたので、私はそれを手で制した。
「いいよ、私が買ってあげる」
その瞬間、優海が目を丸くして首をかしげた。
「えっ、なんで? 自分で買うよ。金ならちゃんと持ってきてるし」
「いや、ほら、もうすぐ優海の誕生日だし? ちょっと早めの誕プレってことで」
「俺の誕生日って……二ヶ月以上先じゃん」
「そうだけど。ほら、何事も早め早めがいいんだよ、ね」
それ以上何も言わせないように、私はレジ台に千円札を二枚置いた。
優海はまだ納得できないような表情をしていたけれど、包装してもらった手帳を渡すと、にっこり笑って「ありがと凪沙、大好き」と言った。
私は「はいはい」と肩をすくめた。
連れ立って出口に向かい、自転車に乗って、これからまた四十分かけて私たちの町へと帰る。
「あ、そうだ。優海、帰ったらすぐ手帳に明日の提出物書くんだよ。忘れないうちにね」
少し自転車を走らせたところで、ふと思い出して隣の優海に声をかけた。
「おー、もちろん!」
「あと、明後日の小テストの予定もね。再来週からの期末テストの日程も書いとかなきゃね」
「うへー、仕事が多いぜ!」
「たいして多くない。これからはホームルームで聞いたことはちゃんとすぐに書くんだよ、オーケー?」
「オーケー!」
分かってるんだか分かってないんだか、不安になるような軽さで笑って優海は私にグーサインを向けてくる。
明日の朝、さっそくチェックしないと。