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「優海、これはどう?」
いつもは素通りする学校の最寄り駅に立ち寄り、書店に隣接している文具コーナーで手帳を物色する。
時期外れなのであまり種類は多くはなかったけれど、そのぶん定番の商品や人気のものだけが陳列されているので、無駄に目移りせずにすんで探しやすい。
表紙やカバーがシックなものばかりで地味だけれど、高校生っぽくて逆にいいかもしれない。
目ぼしいものを見つけて優海に声をかけると、「ん?」と首をかしげて覗きこんできた。
「ほら、見て。メモ欄が多いし、余白が大きいから優海のバカでかい字でもたくさん書けるよ」
「バカでかいって、言い方ー! まあ確かにバカでかいけどさ」
ぶうぶう言いながらも私が渡した手帳をぱらぱらめくっていた優海は、しばらくして諦めたようにぱたんと閉じた。
「手帳使ったことないから、よく分かんねー」
そう言うと思っていたので、笑いをこらえながら手帳を受け取る。
「じゃあ、これでいい?」
「これが、いい! 凪沙がいいって言うんならこれがいちばんいいんだ」
「あっそ。じゃ、これにしよう」
「優海、これはどう?」
いつもは素通りする学校の最寄り駅に立ち寄り、書店に隣接している文具コーナーで手帳を物色する。
時期外れなのであまり種類は多くはなかったけれど、そのぶん定番の商品や人気のものだけが陳列されているので、無駄に目移りせずにすんで探しやすい。
表紙やカバーがシックなものばかりで地味だけれど、高校生っぽくて逆にいいかもしれない。
目ぼしいものを見つけて優海に声をかけると、「ん?」と首をかしげて覗きこんできた。
「ほら、見て。メモ欄が多いし、余白が大きいから優海のバカでかい字でもたくさん書けるよ」
「バカでかいって、言い方ー! まあ確かにバカでかいけどさ」
ぶうぶう言いながらも私が渡した手帳をぱらぱらめくっていた優海は、しばらくして諦めたようにぱたんと閉じた。
「手帳使ったことないから、よく分かんねー」
そう言うと思っていたので、笑いをこらえながら手帳を受け取る。
「じゃあ、これでいい?」
「これが、いい! 凪沙がいいって言うんならこれがいちばんいいんだ」
「あっそ。じゃ、これにしよう」