深い深い海の底から、青い青い闇の中をゆっくりと浮かびあがってきた透明な泡が、光をはらんだ海面に触れてぱちんと弾けた。
――そんなふうに、はっと目が覚めた。
豪雨のような鼓動の音が、耳の奥で深くこだましている。
ばくばくと暴れる心臓が内側から激しく胸を打ち、痛いくらいだった。
全身がぐっしょりと汗ばんでいる。
背中がぞくりとするほど悪寒がするのに、顔だけが妙に熱い。
私はしばらく布団の上に横たわったまま、目を見開いて天井の染みを眺めていた。
あれは何の染みだったっけ……。そうだ、小一のとき、バレンタインの日に優海(ゆう)とチョコレート爆弾を作って天井に投げつけたんだ。
あのときは二人しておばあちゃんにずいぶん怒られたっけ……でも私は初めておばあちゃんに叱られて、怖かったけど少し嬉しくもあって……。
ぼんやりと考えているうちに頭がはっきりしてきて、《全て》を思い出した私は、ずり落ちかけたタオルケットをはいでゆっくりと身を起こした。
――そんなふうに、はっと目が覚めた。
豪雨のような鼓動の音が、耳の奥で深くこだましている。
ばくばくと暴れる心臓が内側から激しく胸を打ち、痛いくらいだった。
全身がぐっしょりと汗ばんでいる。
背中がぞくりとするほど悪寒がするのに、顔だけが妙に熱い。
私はしばらく布団の上に横たわったまま、目を見開いて天井の染みを眺めていた。
あれは何の染みだったっけ……。そうだ、小一のとき、バレンタインの日に優海(ゆう)とチョコレート爆弾を作って天井に投げつけたんだ。
あのときは二人しておばあちゃんにずいぶん怒られたっけ……でも私は初めておばあちゃんに叱られて、怖かったけど少し嬉しくもあって……。
ぼんやりと考えているうちに頭がはっきりしてきて、《全て》を思い出した私は、ずり落ちかけたタオルケットをはいでゆっくりと身を起こした。