でも、誰もが飛び上がるほど驚いていたけれど、私は、私だけは、彼の合格を微塵も疑っていなかった。

小さい頃から優海は、好きなことに対しては周りの声も聞こえないくらい熱中するし、やると決めたことは絶対にやり遂げるやつだった。

だから、きっと受かるだろうなと思っていたのだ。

優海は、やればできる。やる気にならせられるかどうかは、私の腕の見せどころだ。

ずっと一緒に過ごしてきた私は、彼の思考回路も行動原理も手に取るように分かっているから、大丈夫だ。

『運命の日』までにやるべきことも、私なら、できるはず。

優海がちゃんと課題を忘れずに提出できるようにして、期末テストを赤点なしで乗りきれるようにして、そして――。

やらなくてはいけないことは、たくさんある。

ちゃんと全部、つつがなくやり遂げたい。

抜けがないように、ひとつひとつ、しっかり地道にやっていかないといけない。

時間はたくさんあるようで、でもあっという間に過ぎ去ってしまうから、急がないといけない。

与えられた時間を無駄にはしたくない。