身体に力が入らない。

中身が空っぽになってしまったみたいだ。

俺は空気の抜けた風船人形のように、ぐにゃりと壁にもたれて呆然と天井を見ていた。

もう何時間こうしているんだろう。

もしかしたら何日も経っているかもしれない。

分からない。

そんなことはどうでも良かった。


だって、もう、凪沙がいない。

この世界には、凪沙がいない。


信じられないけれど、たぶん本当だ。

だって、俺は空っぽになってしまった。

かたわれを失って、ぽっかりと穴が空いてしまった。

そこからどんどん何かが抜け落ちてしまって、もう立つことも歩くこともできない。

凪沙がいなくなった瞬間、俺は俺じゃなくなった。


凪沙が死んだなんて、頭では認めたくないのに、俺の心と身体に空いた穴が、凪沙を失ったことが事実なんだと訴えてくる。