そうして、認めざるを得なくなった。

優海が私を好きすぎたから、依存して頼りきりだったから、このままでは死ねない、と私は思っていた。

でも、本当は違ったのだ。

優海は強い。家族みんなを不条理な形で失っても、神様を信じて、純粋な心を失わずにまっすぐ生きられるくらいに強い。

私が死んだって、きっと優海はちゃんと生きていけるはずだ。

本当は私のほうこそ、優海のことが好きで好きで、優海のまっすぐな強さに頼りきりで、優海の底なしの優しさに包まれて守られて、彼に依存していたのだ。

私は、優海がいないと生きていけない。

ひとりではいられない。

それほど、彼に依存していた。

優海がいないとだめなのは、私のほうだった。

ずっと一緒にいるのが当たり前だと思っていた彼と離れるのが寂しくて寂しくて、かたわれを失ったままひとりでなんていられなくて、だから私はその未練に縛られて、死ぬことができなかった。

この二度目の夏は本当は、私がちゃんとひとりで死ねるための、優海と離れる覚悟を決めるための時間だったのだ。


ゆう、と涙声で囁いて、私は彼の胸にすがった。

優海は私を抱きしめたまま、励ますように何度も何度も背中をさすってくれた。


心地よい優しさ。

この温もりに包まれて、孤独に震えていた私は、やっと息ができるようになったのだ。

「ありがと、優海」

すっかり気持ちが落ち着いた私は、そう言って顔をあげ、身を離した。