*
「凪沙ー! ごめん、遅くなった!」
校門前で国道を行き交う車を見ながら立っていると、中から優海が大きく手を振りながら自転車で走ってきた。
「なんか練習終わりに急にミーティングすることになってさー、遅くなっちゃった」
きっとブレーキをかけて私の前に止まった優海が、申し訳なさそうにこちらを見る。
「そうだったんだ。お疲れ様」
「ありがと。こんな暑い中で待たせてごめんな、ほんと」
ぱんっと両手を合わせて頭を下げる彼に、私は「別にいいよ」と首を振った。
「木陰に入ってたからそんなに暑くなかったし。それより、早く行こ」
「おう、行こう行こう!」
塀に寄せて停めていた自転車を動かして、優海の後ろについて走りだす。
彼の部活終わりに待ち合わせをしていた私たちは、これから駅前に行って一緒に昼ごはんを食べる約束をしていた。
ちょうど私も提出物があって学校に来ることになっていたので、時間を合わせたのだ。
あまり道幅が広くなくて、横並びでは走れないので、縦に並んで駅へ向かう。
何気なく地面に目を向けると、白っぽい路面にくっきりと私たちの影が落ちていた。
夏の影は本当に鮮明だ。
陽射しが強いからだろうか。
私は目を細めて、ハンドルを握る両腕に突き刺さるような光を浴びせる太陽を仰ぎ見た。
「凪沙ー! ごめん、遅くなった!」
校門前で国道を行き交う車を見ながら立っていると、中から優海が大きく手を振りながら自転車で走ってきた。
「なんか練習終わりに急にミーティングすることになってさー、遅くなっちゃった」
きっとブレーキをかけて私の前に止まった優海が、申し訳なさそうにこちらを見る。
「そうだったんだ。お疲れ様」
「ありがと。こんな暑い中で待たせてごめんな、ほんと」
ぱんっと両手を合わせて頭を下げる彼に、私は「別にいいよ」と首を振った。
「木陰に入ってたからそんなに暑くなかったし。それより、早く行こ」
「おう、行こう行こう!」
塀に寄せて停めていた自転車を動かして、優海の後ろについて走りだす。
彼の部活終わりに待ち合わせをしていた私たちは、これから駅前に行って一緒に昼ごはんを食べる約束をしていた。
ちょうど私も提出物があって学校に来ることになっていたので、時間を合わせたのだ。
あまり道幅が広くなくて、横並びでは走れないので、縦に並んで駅へ向かう。
何気なく地面に目を向けると、白っぽい路面にくっきりと私たちの影が落ちていた。
夏の影は本当に鮮明だ。
陽射しが強いからだろうか。
私は目を細めて、ハンドルを握る両腕に突き刺さるような光を浴びせる太陽を仰ぎ見た。