駅に入ってホームに降り、電車に乗って目的地に向かうまでの間、私はずっと泣き続けていた。

周りに迷惑なのは分かっていたので、なんとか声は堪えたけれど、涙はどうしても止まらなかった。

優海のこれまでの人生、そしてこれから彼の身に降りかかることを思うと、あまりにも残酷な運命に、泣かずにはいられなかったのだ。

こんなに優しい優海が、どうしてこんな目に遭わなくてはならないのか。

どうしてこんなにたくさんのものを奪われなくてはならないのか。

考えれば考えるほど、神様が恨めしくて憎らしくて仕方がなかった。


どんな境遇になっても神様を信じている優海。

今でもお参りを欠かさない優海。


それなのに、どうして神様はさらに優海から奪おうとするのか。

どうして優海を救ってくれないのか。

どうして優海を幸せにしてくれないのか。

ひどい神様。

あなたを信じつづけている優海を、どうして裏切れるのか。

いくらでも涙は溢れてきた。


私が乗客の好奇の視線も無視してぼろぼろ泣いている間、優海は「大丈夫、大丈夫」と囁きながら、ずっと背中をさすってくれていた。