最寄り駅から高校へとつながる一本道を走っていると、徒歩で学校に向かう集団が見えてきた。
電車通学の生徒たちだ。
駅から近いという恵まれた立地条件から、水津高校の生徒は電車で通う人がほとんどだ。
鳥浦にも駅はあるので、私と優海も電車通学ができないわけではないのだけれど、各駅停車の鈍行列車が一時間に一本しか来ないので、ちょうどいい時間に学校に着くのが難しい。
ものすごく早く着くか、始業時間ぎりぎりか、を選ばないといけないのだ。
しかも、途中の駅で乗り換えが必要な上に、急行列車の待ち合わせまであって、結局は自転車通学でかかる時間とそれほど変わらない。
というわけで私と優海は、雨の日や暑かったり寒かったりする日は少し大変だけれど、電車ではなく自転車で通うことにしている。
四十五分間のんびり自転車をこぐ間に二人きりでゆっくりと話せるのも、なかなか楽しい。
徒歩集団の横を、少しスピードを落として通り抜けた直後、「優海、おはよう」と声が聞こえた。
ブレーキを掛けて二人同時に振り向くと、同じクラスの黒田龍くんが微笑みながら軽く手を振っている。
「おー、龍じゃん! おはよー」
優海が満面の笑顔で手を振り返した。
電車通学の生徒たちだ。
駅から近いという恵まれた立地条件から、水津高校の生徒は電車で通う人がほとんどだ。
鳥浦にも駅はあるので、私と優海も電車通学ができないわけではないのだけれど、各駅停車の鈍行列車が一時間に一本しか来ないので、ちょうどいい時間に学校に着くのが難しい。
ものすごく早く着くか、始業時間ぎりぎりか、を選ばないといけないのだ。
しかも、途中の駅で乗り換えが必要な上に、急行列車の待ち合わせまであって、結局は自転車通学でかかる時間とそれほど変わらない。
というわけで私と優海は、雨の日や暑かったり寒かったりする日は少し大変だけれど、電車ではなく自転車で通うことにしている。
四十五分間のんびり自転車をこぐ間に二人きりでゆっくりと話せるのも、なかなか楽しい。
徒歩集団の横を、少しスピードを落として通り抜けた直後、「優海、おはよう」と声が聞こえた。
ブレーキを掛けて二人同時に振り向くと、同じクラスの黒田龍くんが微笑みながら軽く手を振っている。
「おー、龍じゃん! おはよー」
優海が満面の笑顔で手を振り返した。