洗ってあるはずなのに、優海のにおいがして、自分でもびっくりするくらいに安心感に包まれた。

そしてそんな自分が嫌になるという、自己嫌悪の繰り返し。

「……ありがと」

いらないと言っても聞かないのは目に見えていたので、素直に受け取った。

頭からすっぽりと覆われて、陽射しが遮られるだけでずいぶん楽になる。

Tシャツの隙間から、横を歩く優海をちらりと見上げて、こんなに大きかったっけ、とまた思った。

高校生になってからどんどん背が伸びている気がする。

そういえばこのTシャツも、私のものに比べてすごく大きく感じる。

視線を落とすと、優海の腕が目に入って、どきりとした。

相変わらず細いけれど、中学のころからするとだいぶ筋肉がついて逞しくなり、動かすたびに筋が浮き上がる。

大人の男の人みたいな腕だ。

こうやって優海はどんどん変わっていくのだろう。

それを隣で見つづけるのだと、当たり前のように思っていたけれど。