まだ何ひとつ納得できてない私の手を引き、靴箱の前に立つと私のローファーを迷わず取り出した。
「はい、どーぞ」
これはもう言うことを聞くしかなさそうだ。
私は「ありがと」と肩をすくめてため息をつきながら靴をはきかえた。
「ていうかさあ、乙女の靴箱開けるとかデリカシーなさすぎ」
「へ? そう?」
「だってほら……においとかさあ……」
言わせんなよ無神経男、と思いながらつぶやくと、平然と「凪沙のなら気になんないよ」という答えが返ってきて辟易した。
「てか凪沙の全然くさくねーし。俺のバッシュとかマジやべーぞ? 今度嗅いでみる?」
「嗅ぐわけないでしょバカ。鼻が潰れたらどうしてくれんのよ」
「あはは、ひでー」
優海は軽く笑ってから、急に真顔になった。
「てか、どうする? タクシー呼ぶ?」
「んーん、いらない。タクシーだとかなりお金かかるし先生に申し訳ないから、電車で帰るよ」
「そっか」
そのまま玄関で私を見送るのかと思ったら、なぜか優海が上履きを脱いでスニーカーに履き替えはじめたので、
「は? 何してんの、なんであんたまで靴履くのよ」
「え? 俺も帰るから」
「っ、はあー?」
確かに、よく見ると優海は私の鞄だけでなく自分のスポーツバッグも肩からかけている。
「はい、どーぞ」
これはもう言うことを聞くしかなさそうだ。
私は「ありがと」と肩をすくめてため息をつきながら靴をはきかえた。
「ていうかさあ、乙女の靴箱開けるとかデリカシーなさすぎ」
「へ? そう?」
「だってほら……においとかさあ……」
言わせんなよ無神経男、と思いながらつぶやくと、平然と「凪沙のなら気になんないよ」という答えが返ってきて辟易した。
「てか凪沙の全然くさくねーし。俺のバッシュとかマジやべーぞ? 今度嗅いでみる?」
「嗅ぐわけないでしょバカ。鼻が潰れたらどうしてくれんのよ」
「あはは、ひでー」
優海は軽く笑ってから、急に真顔になった。
「てか、どうする? タクシー呼ぶ?」
「んーん、いらない。タクシーだとかなりお金かかるし先生に申し訳ないから、電車で帰るよ」
「そっか」
そのまま玄関で私を見送るのかと思ったら、なぜか優海が上履きを脱いでスニーカーに履き替えはじめたので、
「は? 何してんの、なんであんたまで靴履くのよ」
「え? 俺も帰るから」
「っ、はあー?」
確かに、よく見ると優海は私の鞄だけでなく自分のスポーツバッグも肩からかけている。