海沿いの道に出ると、さらに雨風は激しくなった。

水平線は雨に煙ってぼんやりと霞み、空と海の境がどこにあるのかも分からない。

髪も顔も首も腕も脚も、セーラー服もスカートも靴下もローファーも、私の全てがびしょ濡れだ。

でも、むしろそれが心地いい。

濡れた前髪が額にこめかみに貼りついて、そこから落ちてくる雫が睫毛にたまって視界をぼやけさせる。

もっと降れ、もっと降れ、と空をにらみながら祈った。

ずっと前から決めていたことなんだ、今さらやめるなんて、絶対にできない。

私ならできる。やらなきゃいけない。


――期末テストは終わった。

これまで私が彼を甘やかしてしまったから、テストまでは責任をもって面倒を見なくちゃいけないと思っていたけれど、とうとうテストが終わった。

だから。


私は自分に言い聞かせながら、震える手と足でひたすらに雨の中を走り抜けた。