え? と思って立ち止まる。
 
……タネミア? あれ? もしかして私のこと?
 
ちょっと気になり、その教室のドアの隙間から、そっと中を覗いてみた。

「ちがうよ、付き合ってはいないよ。メアドは知ってるけど」
 
大橋くんだ。
大橋くんと、違うクラスの男子三人。
たぶん、サッカー部仲間だろう。
椅子や机に座って、笑いながらしゃべっている。

「マジで? スマホ見せろよ。どんな話してんの?」
「どんな話って……」
 
大橋くんがスマホを開いて、タップしたりスライドしたりしているのが見える。
 
え? あれ? 私の話をしてたよね? 
ちょっと待って、なにを……。

「こんな感じ」
 
うしろから他の男子達が覗きこんでいるのに、べつに隠すでもなくスマホ画面を見せる大橋くん。

話の流れからすると……え? 私のメールの内容?