だからといって、とことん彼を想って考えてみたところで、結局また、会っても互いに傷つくだけだ、という結論に至ってしまう。

抜けだせない。
私はこの前のあの雨の日から、ずっと同じところをグルグルと回っているだけだった。
　
ベッドに寝そべりながら、今までのことを振り返る。
ここ一、二ヶ月のことなのに、ウソツキさんに出会ってから、本当にいろいろなことがあった。
　
時には幼い兄妹のように、時にはまるで恋人同士みたいに、じゃれ合ったり、言い合いをしたり、からかわれたり。

そんな中で、たくさん、言葉をもらった。
たくさん、背中を押してもらった。

屋上でひとりで泣いていた私がウソだったかのように、学校では顔をあげて歩くことができるようになった。