「それでは以上で、特進科のプレゼンテーションを終わります。ご清聴、ありがとうございました」


朝陽のプレゼンが終わり、しばらくその場から動くことのできなかった私は、講堂から出ていく人たちを呆然と眺めていた。

どのグループが一番高評価だったのか、結果は後日、特進科内の授業で発表されるらしい。

つまり、特進科ではない私たち商業科や、普通科の生徒は結果を聞くことはできないのだ。

それを少し残念に思っていると、特進科の生徒たちが片付けを始めたので、私も慌てて流れに任せて講堂の外に出た。


「……菜乃花」


けれど講堂の外に出ると、突然、聞き慣れた声に名前を呼ばれた。

反射的に俯いていた顔を上げると、そこには何故か陸斗くんが立っている。