朝陽は、すべてに置いて隙のない男の子なんだ。

だからこそ女の子たちは朝陽に憧れ、好意を抱く。

男の子たちだって、昔から朝陽に羨望の眼差しを向ける子は多かった。

本当に……私の自慢の、幼馴染。

世界で、たった一人。私の大好きな……幼馴染だ。


「だから朝陽は絶対に、陰で人のことを悪く言ったりしない!」


再び力強く言い放つと、陸斗くんが眉根を寄せた。

朝陽の良いところなら、きっと、いくらでも伝えられる。

ずっと、一番近くで見てきたから。

朝陽のことなら、いくらでも。

どれだけでも話していられる。


「……ハァ」


と、不意に陸斗くんが、呆れたように息を吐いた。

思わず言葉を飲み込み続く言葉を待っていると、陸斗くんのブラウンの瞳が真っ直ぐに、私を捉える。