「まぁでも、グループワークの課題が終われば、またいつも通りに朝陽と帰れるから。それまで、待ってやってな。アイツ、超頑張ってるからさ!」
ポン、と私の頭に手をのせたリュージくんに向かって、笑顔で「うん」と頷いた。
朝陽と一緒に帰らなくなってから、まだ数日。
リュージくんの言うとおり、以前朝陽が言っていた、プレゼンテーションさえ終われば、またいつもの私達に戻るのだろう。
「それじゃあ、またな。俺も今から、同じ班の奴らと調べものをしなきゃいけなくて──」
「あ、待って!」
踵を返して行こうとするリュージくんを、私は慌てて引き止めた。
「うん? どうした?」
「え、と……。その、大したことじゃないんだけど……」
キョトンとして首を傾げるリュージくんを前に、つい視線を左右に泳がせてしまう。
こんなことをリュージくんに聞いていいのか、わからないけれど。ここ数日、ずっと気になっていたことがあるのだ。
「リュージくんって、陸斗くんと友達なの?」
それは、陸斗くんのこと。
課外活動で一緒になったとき、偶然音楽室で顔を合わせた二人は顔見知りのようだった。