⚾ ゜*。+
学校まで乗りこもうと誘ったのはもちろん、野球オタクの和穂だった。
なにが悲しくて夏休みにまで学校へ行かなきゃならんのだと思ったが、家にいてもお父さんとお母さんとはやはり気まずいままなので、しょうがなく登校することにした。
登校するといってもまじめに夏期講習なんかを受けるわけじゃない。
目的地は西グラ、明日には準決勝を控えている野球部の練習を見に行くのだ。雪美ともみじもいっしょだ。
この1か月を通じてふたりとはかなり仲良くなったと思う。いろんなことを話すようになって、いろんなことを知った。知られた。おにいのこともちょっとだけ話した。
女子高生の話題の中心にあるのはなんといっても恋愛なので、そういう話もけっこうする。和穂と雪美から聞く彼氏の惚気や愚痴はなかなかおもしろい。
もみじは、彼氏はいなくて、塾の先生に絶賛片想い中らしい。それも30過ぎのオジサンだって!
10代の女の子が30代の男に恋をするのか。恋愛に、年齢は関係ないか。たしかに面倒事を嫌うもみじには、余裕のある年上の男が似合うと思った。
わたしはというと、どうしても、藤本と倉田での二択を迫られる。
こういう話を振られるのは本当に嫌なんだ。肯定するのはナシだし、あんまり強く否定するのも違うと思うから。
藤本はいい友達で、朔也くんはかわいい後輩だ。でもそれじゃ足りないのが女子高生という生き物らしい。
だけどもっと困るのは進路の話。
和穂は県立大、雪美は隣県の外大、もみじは箱根駅伝で有名な体育大を目指しているのだと語っているなかで、わたしだけはなにも発言できなかった。笑っててきとうにごまかすしかなかった。
てきとうにごまかしてしまえる自分は、すごく嫌いだな。
進路について曖昧なのをゴンちゃんから文句言われているんだと打ち明けると、すぐさま生物教師へのブーイングが始まったのには苦笑した。
みんなあのヤンキー教師に多かれ少なかれ不平不満を持っているのね。でも、ゴンちゃんを本当に嫌いな生徒っていない。
やっぱりゴンちゃんは教師に向いてると思った。わたしもそういうのに出会えるかなと思った。
そう思える自分は、嫌いじゃないよ。
学校まで乗りこもうと誘ったのはもちろん、野球オタクの和穂だった。
なにが悲しくて夏休みにまで学校へ行かなきゃならんのだと思ったが、家にいてもお父さんとお母さんとはやはり気まずいままなので、しょうがなく登校することにした。
登校するといってもまじめに夏期講習なんかを受けるわけじゃない。
目的地は西グラ、明日には準決勝を控えている野球部の練習を見に行くのだ。雪美ともみじもいっしょだ。
この1か月を通じてふたりとはかなり仲良くなったと思う。いろんなことを話すようになって、いろんなことを知った。知られた。おにいのこともちょっとだけ話した。
女子高生の話題の中心にあるのはなんといっても恋愛なので、そういう話もけっこうする。和穂と雪美から聞く彼氏の惚気や愚痴はなかなかおもしろい。
もみじは、彼氏はいなくて、塾の先生に絶賛片想い中らしい。それも30過ぎのオジサンだって!
10代の女の子が30代の男に恋をするのか。恋愛に、年齢は関係ないか。たしかに面倒事を嫌うもみじには、余裕のある年上の男が似合うと思った。
わたしはというと、どうしても、藤本と倉田での二択を迫られる。
こういう話を振られるのは本当に嫌なんだ。肯定するのはナシだし、あんまり強く否定するのも違うと思うから。
藤本はいい友達で、朔也くんはかわいい後輩だ。でもそれじゃ足りないのが女子高生という生き物らしい。
だけどもっと困るのは進路の話。
和穂は県立大、雪美は隣県の外大、もみじは箱根駅伝で有名な体育大を目指しているのだと語っているなかで、わたしだけはなにも発言できなかった。笑っててきとうにごまかすしかなかった。
てきとうにごまかしてしまえる自分は、すごく嫌いだな。
進路について曖昧なのをゴンちゃんから文句言われているんだと打ち明けると、すぐさま生物教師へのブーイングが始まったのには苦笑した。
みんなあのヤンキー教師に多かれ少なかれ不平不満を持っているのね。でも、ゴンちゃんを本当に嫌いな生徒っていない。
やっぱりゴンちゃんは教師に向いてると思った。わたしもそういうのに出会えるかなと思った。
そう思える自分は、嫌いじゃないよ。