背後の全開にした窓から、冷たく大きな風が吹いた。
落ち葉がカラカラと地面を転がる音も聞こえる。

私は乱れた前髪を梳いて整えながら、
「運動神経いいんだ?」
と、けっこうどうでもいいことを聞いた。

「もともと運動神経はいいんだよ。手を使わないスポーツなら余裕」
「へぇ」
 
なんか、普通だ。
普通に話している。

避けられていると思っていたのが誤解だったと知って、ちょっと拍子抜けだ。
というか……なんだ、部活にはまだ入っていないんだ。
じゃあ……。