「なんで……いるの……?」

「望月……」


そこにいたのは、目を赤くした星岡君だった。

彼も同じように私がここに来たことに驚き目を見開いていたが、すぐに涙を拭って、絵を指さす。


「望月、なんだよこれ……」

「え、なにって……あっ」


星岡君の目の前にある絵が、私が取りに来た絵だと分かって、私は慌ててその絵を隠そうとした。

けれど、そんな私の手を彼が引き留める。

どうしよう、どうしよう、これだけは見られたくなかったのに。

私はぎゅっと目を瞑って、彼がなんて言うのかを手に汗握りながら待った。


「折角俺、諦めようと思ってたのに……。翠がこんなこと、教えなければ……」

「え、諦めるって何を……」

「こんなの、泣くに決まってんだろ……、バカ望月」