美術室までの渡り廊下で、私はぴたりと足を止めた。

そういえばここで、星岡君に助けてもらったな……そんなことを思いながら。

ふとコートのポケットに手を突っ込むと、何かが入っていることに気づいた。


「あ……そういえばまだ読んでないや」


それは、昨日星岡君にもらった、お手紙だった。

泣いてしまいそうで、これを読んだら本当に星岡君との関係が切れてしまいそうで、怖くてひとりじゃ開けなかった。

私は、渡り廊下の手すりに軽く腰かけて、その手紙をゆっくり開いた。