なんだか一気に挙動不審になってしまった星岡君を不思議に思いながら見つめていると、彼は更に焦ったように話し始めた。
「ごめん、さっき、いなくて。俺絶対泣くと思ったから、個人的にお別れしようと思って」
「そうだったんだ、てっきり会いたくないか部活行っちゃったかと思ったよ」
笑ってそう言うと、星岡君はそんなわけないだろ、と強めに否定したので、思わず肩をびくつかせる。
彼は、声を荒げたあとすぐに申し訳なさそうに目を伏せて、呟くように語りだした。
「……俺、望月の絵が好きだって、今まで言ったこと何回かあると思うけど、本当にそう思ってる。だからきっと、美大受かるよ」
「ありがとう……そう言ってもらえると、元気出る」
「うん、俺も、望月が頑張ってると思って、頑張るから。じゃあ、元気で」
「うん、元気でね」
最後に握手を交わして、私たちは別れを告げた。
星岡君の手は、骨ばってて大きくて、男の子の手だった。
去っていく彼の背中を見つめながら、私は、好きだよ、と心の中で呟いた。
それから、来栖先輩に会いに行くべく、美術室に向かったのだ。
「ごめん、さっき、いなくて。俺絶対泣くと思ったから、個人的にお別れしようと思って」
「そうだったんだ、てっきり会いたくないか部活行っちゃったかと思ったよ」
笑ってそう言うと、星岡君はそんなわけないだろ、と強めに否定したので、思わず肩をびくつかせる。
彼は、声を荒げたあとすぐに申し訳なさそうに目を伏せて、呟くように語りだした。
「……俺、望月の絵が好きだって、今まで言ったこと何回かあると思うけど、本当にそう思ってる。だからきっと、美大受かるよ」
「ありがとう……そう言ってもらえると、元気出る」
「うん、俺も、望月が頑張ってると思って、頑張るから。じゃあ、元気で」
「うん、元気でね」
最後に握手を交わして、私たちは別れを告げた。
星岡君の手は、骨ばってて大きくて、男の子の手だった。
去っていく彼の背中を見つめながら、私は、好きだよ、と心の中で呟いた。
それから、来栖先輩に会いに行くべく、美術室に向かったのだ。