一時間ほど皆と話してから、三木ちゃんがカラオケを予約しに先に駅に向かった。

私はまだ荷物をまとめ終わっていなかったから、ロッカーの荷物をすべてカバンに詰め込んでいた。

荷物を整理していると、本当にもうここにはこないんだという実感が沸いてくる。

再び目がうるうるしてきたので、私はぐっと上を向き、強く瞬きをして涙をひっこめる。

……星岡君に最後に会えなかったことが残念だけど、こうして最後に皆と話せて本当によかった。

私は、涙を拭ってロッカー室から出た。


「……あ、望月」

するとそこには、壁にもたれかかった星岡君がいた。

驚き一瞬目を丸くしたけれど、星岡君は至っていつも通りに私に近づいてきて、はい、と封筒を渡してきた。


「え、あ、ありがと」

「だめ、家で開いて、俺が泣くから」

「え、ええ?」

戸惑いながらもそれを受け取り開こうとすると、星岡君がそれを全力で止めてきたので困惑した。