「これ、皆から。あと、色紙も書いたの。お家で読んでっ……うっ」

「三木ちゃん、ありがとう……こんな、いつの間に……」

サプライズに思わず感極まっていると、他のクラスメイトも続々と話しかけてくれて、私は少し焦った。

クラスの中でも影の薄い存在だと思っていたから、こんな色紙をもらえるなんて、思ってもみなかった。


「望月さん、向こう行っても俺追いかけるからねっ」

「お前一度も話したことないくせに何言ってんだよ」


今まで絡んだことのなかったクラスメイトも残って話に来てくれて、とても嬉しかった。

転校してきたばかりの私でも、まさかこんなに別れを惜しんでもらえるなんて。

思わず涙腺がゆるんでしまったけれど、私は何とか堪えて、頭を下げた。


「ありがとう、本当に……皆のこと、忘れません」

「うう、やだー、そんな別れの言葉みたいなこと言わないでー」

「三木ちゃん、お別れの言葉なんだよ本当に……」