秋祭りの会場だった駅を通り過ぎて、学校の最寄り駅に到着すると、そこは思い出の塊だった。

三木ちゃんたちとくだらない話をする定番の場所だったフードコートとか、美術用品を買うために通った画材屋さんとか、もう私が二度と着ない制服を着て部活へ向かう生徒とか。

本当にこの町から離れるんだという実感が沸いてきて、私はすでにセンチメンタルになっていた。


「寂しいな……」


マフラーに顔を埋めると、思わず本音が漏れた。

前を通り過ぎたおばちゃんが、不審そうに私を一瞥して通り過ぎていった。

別れに離れているつもりだったけれど、やっぱり辛い。それでももう、後戻りはできないから、今日はゆっくり思い出を辿ろう。

私は前を向いて、ゆっくりと学校へと足を運んだ。


昨日のHR後のお別れ会は、想像以上に盛大に開かれた。

三木ちゃんとカフェで話せたらいいと思っているくらいだったから、本当に驚いた。

HR後になんだか周りがそわそわしているなと思ったら、突然三木ちゃんが花束を出して、私に渡してくれたのだ。