女の子よりずっと固い体、頭ひとつ分高い背、低い声、少し乱暴な言葉遣い、真っ直ぐな瞳、骨ばった長い腕。
思い出すだけで、そのすべてにドキドキしてしまう。
初めての感覚に茫然自失していると、手元に見たことのない黒いスマホが落ちていることに気が付いた。
さっきの事故が起こるまでは落ちていなかったから、星岡君のスマホかもしれない。
そう思った私は、散らばったガラスを避けて、急いで彼を追いかけた。
追いかけている最中、ぼんやりと昨日三木ちゃん達とした恋話を思い出した。
『正直星岡君って、優しくてかっこいいし目立つよね』
『分かる、なんか大人びてるし、あの一之瀬と友達でいてあげることもすごいっ』
『だけどさ、星岡君、来栖先輩を追いかけてこの高校入学したって話知ってる?』
『え? それってあの美術部の部長の、来栖先輩?』
美術部の、来栖先輩。
三木ちゃん達の会話の中に出てきたワードを頼りに、私は自分の勘を信じて美術室に向かった。
しかし、美術室の扉には、『本日活動休止』の札が掛けられていた。
それでも、私は、ある予感がして、そっと扉を開けた。
……すると、そこには、思った通り星岡君がいた。
思い出すだけで、そのすべてにドキドキしてしまう。
初めての感覚に茫然自失していると、手元に見たことのない黒いスマホが落ちていることに気が付いた。
さっきの事故が起こるまでは落ちていなかったから、星岡君のスマホかもしれない。
そう思った私は、散らばったガラスを避けて、急いで彼を追いかけた。
追いかけている最中、ぼんやりと昨日三木ちゃん達とした恋話を思い出した。
『正直星岡君って、優しくてかっこいいし目立つよね』
『分かる、なんか大人びてるし、あの一之瀬と友達でいてあげることもすごいっ』
『だけどさ、星岡君、来栖先輩を追いかけてこの高校入学したって話知ってる?』
『え? それってあの美術部の部長の、来栖先輩?』
美術部の、来栖先輩。
三木ちゃん達の会話の中に出てきたワードを頼りに、私は自分の勘を信じて美術室に向かった。
しかし、美術室の扉には、『本日活動休止』の札が掛けられていた。
それでも、私は、ある予感がして、そっと扉を開けた。
……すると、そこには、思った通り星岡君がいた。