力強い言葉とは反対に、涙の止まらない星岡君を見て、胸の奥の奥がぎゅうっと苦しくなった。

私は、彼の大きな手を握って、待ってるね、と大きく頷く。

オレンジ色の優しい光が、教室ごと私たちを包み込んでいく。



……私たちは、まだまだ未熟で拙い。

すれ違って、かっこわるいこともして、沢山涙も流した。

こんなに不格好な恋の仕方、もしかしたら笑われてしまうかもしれない。


それでもいい。

それでも、好きという気持ちだけで駆け抜けたこの恋を、永遠に大切にしたい。

本当にそう思うんだよ。



「……星岡君、意外と字、汚いんだね」


星岡君からもらった手紙を見せて笑うと、彼は顔を赤く染めた。


これでも十枚以上書き直したんだ、と拗ねたように言う彼が愛しくて、

胸が苦しくなって、

私は彼の頬にそっとキスをしたんだ。





end