「好き、好きだよ、星岡君……っ」

「……望月、泣かないで」

「うっ、ごめん、止まんな……」

「……どうしていいか、分かんなくなるよ」


涙を拭う手を剥がされたと思ったら、唇に柔らかいものが触れた。

驚いて彼の目を見つめていると、もう一度ちゅっと唇にキスをされた。

ただでさえ真っ白になっていた頭の中が、さらに真っ白になった。


「ごめん、なんか、もうどうしていいか、分かんなかった……」

「な、だ、だからって、いきなり……」

「ずっと伝えるの、我慢してたから……、なんかもう、苦しすぎて」


ごめん、と言って、星岡君が私のことをぎゅっと抱きしめた。

これは本当に、現実なのかな。夢じゃないかな。

そう何度も疑ったけれど、星岡君の体温を全身で感じて、これは夢じゃないと自分に言い聞かせて、彼の背中に手を回した。