まるで、春の木漏れ日のようなやわらかな笑顔。
アーモンド形の目から覗く、色素の薄いブラウンの瞳がやけに印象的で、私は思わず息をのんだ。
その目に見つめられたら、もう簡単にそらすことは叶わない。
スッと通った鼻筋に、形のいい薄い唇。
放課後の教室に差すオレンジを帯びた光が、彼の綺麗な髪をキラキラと輝かせていた。
まるで、自分と同じ人間だなんて思えないくらい。
どこか清廉さをまとった空気も、彼の整った容姿をさらに引き立てていて、もうなにも言えなくなる。
「……なぁ、俺の声、聞こえてるんだよな?」
「え……あ、ご、ごめんなさい! ボーッとしてました!!」
うかがうようにこちらを見る彼にあわてて言葉を返せば、彼は今度はうれしそうに笑った。
思わずドキリと高鳴る私の心臓は、とても、とても正直だ。