「でもね、コウは、マメちゃんの言うことだけはすんなり受け入れたりするの。マメちゃんがやりたいって言ったことはやらせて、マメちゃんがやめてっていったことはやめる」

「……え」

「コウね、きっとマメちゃんが止めれば、高校受験しなかったと思うよ」

「玲子さん……それは、凄く勘違いを、しています……」

「やだ、それはマメちゃんの方だわ」

「いいえ」


ふるふると、私は首を横に振った。

コウちゃんが私に甘いのは、小さい頃から私を守ることが染みついてしまっているからだ。

そこに恋愛感情は全くなくて、保護者的目線で私を甘やかしているんだと思う。

そう言うと、玲子さんは、また困ったように笑った。


「私、マメちゃんみたいな子になりたかったなあ」

「え!?」

「明るくて、真っ直ぐで、嘘が無い、マメちゃんみたいな優しい女の子」

「れ、玲子さん何を……それはこっちの台詞で……」